アプタマー医薬
核酸であるRNAは、塩基の配列から構成され、遺伝情報のコピーとして、タンパク質の合成の鋳型として使用されます。しかし、RNAの役割はそれにとどまらず、一本鎖の核酸には、その配列に従って、様々な立体構造を形成するという特徴があります。この造形力を利用して、標的とするタンパク質に結合してその働きを阻害あるいは調節できる核酸分子が「アプタマー」であり、それを医薬品として開発したものが「アプタマー医薬」です。
アプタマーの特徴は、タンパク質の形状にフィットする立体構造をつくって結合する「形状捕捉」です。タンパク質表面の6~10個のアミノ酸配列を認識する抗体と結合様式が異なります。 アプタマー医薬は、抗体医薬と同じ分子標的薬に分類されますが、抗体医薬に比較して、下記のような利点があります。
- 強い標的結合力
- 標的の制限が少ない
- 化学的な改変が容易
- 化学合成による製造
- 少ない抗原性
中分子としてのアプタマーの特徴に関する総説
Aptamers as therapeutic middle molecules
アプタマー創薬技術
アプタマーはSELEX法(試験管内人工進化法)により作製します。
まず始めにランダムな配列のRNAプール(chemical library)を準備、このプールで標的タンパク質を餌として、餌に結合するRNA分子を釣り上げます。それらのRNA分子の配列を増幅し、「釣り」を繰り返すことによって、標的タンパク質に強く結合するRNA分子を分離します。
この取得したRNA分子が「アプタマー」です。
当社のコアとなる創薬技術「RiboART (Ribomic Aptamer Refined Therapeutics) システム」は、アプタマー創薬に関する総合的な技術や知識、経験等から成り、新薬シーズの創出に汎用的に応用できるプラットフォーム(創薬基盤)を構築しております。「RiboARTシステム」を用いることにより、疾患や標的タンパク質に限定されない様々な新薬を創製することが可能です。

ビジネスモデル
当社は創薬技術「RiboARTシステム」を活用して、疾患や標的タンパク質に限定されない様々な新薬を創製する創薬事業を展開しています。この創薬事業は、自社創薬及び他の製薬企業との共同研究という二つから構成されています。創薬の候補品によっては、自社で臨床試験を実施しPOC(Proof Of Concept)を取得後、製薬企業へライセンス・アウトする事業を展開してまいります。

アライアンス パートナー
Industry
- 大塚製薬株式会社(当社の事業化に関する契約)
- 藤本製薬株式会社(資本提携・ライセンス契約)
- 大正製薬株式会社(共同研究成果に関する契約)
- 全薬工業株式会社(資本提携)
- 三菱商事ライフサイエンス株式会社(共同研究)
- 韓国AJU薬品株式会社(ライセンス契約)
- 味の素株式会社(共同研究)
Academia
- 東京大学医科学研究所「RNA医科学」社会連携研究部門(共同研究)
- 順天堂大学医学部附属病院(共同研究)
- 大阪医科大学医学研究科(共同研究)
- チェコ共和国 Masaryk大学医学部(共同研究)
- 国立循環器病研究センター (共同研究)
- 早稲田大学理工学術院(共同研究)
- 日本大学産官学連携知財センター(共同研究)
- 学校法人慈恵大学(共同研究)
- 北海道大学大学院保健科学研究院(共同研究)
- 東京大学医学部眼科学教室(共同研究)